最終更新日 2024年4月19日 by niefrancisf

大成建設は日本を代表する総合建設会社で、スーパーゼネコンの1つにも数えられます。
大規模な建築土木工事を得意としており、ダム・地下鉄・トンネル・橋・超高層ビル・スタジアムなどを手掛けてきました。
海外にも積極的に進出していて、高い技術力を必要とする海底トンネルなども手掛けています。
キャッチコピーを「地図に残る仕事」としており、CMなどでも流れているので耳にしたことがある人も多いと思います。
大成建設では、建築や土木に関連する技術開発に力を入れています。

T-eCon/Segment

近年、開発した技術の1つに、シールドセグメント「T-eCon/Segment」があります。
これは環境に配慮したコンクリートで、セメントが全く使用されていません。
それにより、コンクリートを製造する際に発生する二酸化炭素を大幅に削減することができました。
従来品と比較すると、約7割も削減できています。
また、産業副産物である高炉スラグを大量に使用するので、資源の有効活用にも役立ちます。
それから、建設工事の現場を大きく革新する無人化・情報化施工技術の開発も行っています。

T-iROBO Crawler Carrier

「T-iROBO Crawler Carrier」は、人体検知システムを搭載した自動運転クローラダンプです。
土砂を予め指定したルートで運搬し、指定された場所で排土を行い元の場所に戻ることができるクローラダンプになります。
大成建設では2013年から無人で行える建設機械の開発に力を注いできました。
建設現場では少子高齢化などもあり、人手不足が深刻化しています。
その人手不足を解消できる技術として注目されています。
自動車などにも使われているAI技術により、人や障害物を検知できるので安全に使用することができます。

遠隔操作による天井裏の点検システムなども開発

また、遠隔操作による天井裏の点検システムなども開発しました。
小型探査ロボットを活用して点検作業を行うもので、人の出入りが困難な天井裏も簡単に点検を行うことができます。
探査ロボットは段差も乗り越えられるようになっており、リアルタイムに静止画や動画を撮影しながら点検することができます。
オペレーターがモニター画面を確認しながら細かい部分までチェックすることが可能です。
小型探査ロボットは、劣化診断や耐震診断のためのツールとして活用することができます。

テレコップシステム

それから超高層ビルの解体に関しても新しい工法を生み出しています。
テレコップシステムという超高層建築の閉鎖型解体工法で、テレコップキャップという作業空間を覆う構造にします。
テレコップキャップは既存の建物と一体化しているのが特徴で、地震や台風にも耐えられる構造になっています。
テレコップキャップによって包み込まれた作業空間により、粉じんの飛散や解体時の騒音を抑えることができます。
それに加えて解体した部材を荷下ろしする際のエネルギーを電力として還元することもでき、エネルギーの回生システムを実現しました。
そのエネルギーは、クレーンの動力に活用したり内部の照明に使用したりすることができます。

都市型のゼロ・エネルギー・ビル

都市型のゼロ・エネルギー・ビルも次世代型のオフィスとして注目されている建築物です。
働きやすく快適な空間とゼロエネルギー化の両方を実現しています。
ゼロ・エネルギー・ビルには、エネルギー性能を向上させるため壁面に太陽光電池が搭載されていて、従来品よりも発電量を高効率化できる太陽光電池になります。
意匠性にも優れており、従来よりも形や寸法の自由度が上がっています。
また、人検知センサーで必要な場所の照明のみを点灯させることができたり、少ないエネルギーでも採光システムと超効率LED間接照明を連携させることで十分な明るさを保つことができます。
排熱を有効活用する空調システムなども導入されています。

木造・木質建築の実績も豊富

大成建設では、木造・木質建築の実績も豊富にあります。
代表的な建築物には、国立競技場があります。
オリンピック・パラリンピックの舞台として大変注目されました。
杜のスタジアムと呼ばれており、日本の伝統建築の技が随所に生かされています。
国産の木材を積極的に使用しており、木の温もりが感じられるスタジアムです。
歴史ある明治神宮外苑の自然と調和しています。
大成建設の海外での実績を挙げると、パーム・アイランドの海底トンネルやボスポラス海峡海底トンネルがあります。
パーム・アイランドはアラブ首長国連邦のドバイ沖に造られた人工の島です。
世界の名だたる建設会社が工事に名乗りを上げましたが、大成建設の高い技術が評価され受注を獲得することができました。
特に環境対策が評価されています。
ボスポラス海峡海底トンネル工事は、トルコ人の悲願ともいえる国家プロジェクトです。
ヨーロッパとアジアを結ぶ海底トンネルとして、大きな注目を集めました。

まとめ

このように新しい技術を次々と開発しており、環境に優しい技術も開発しています。
環境に対する意識は世界中で高まっており、そのニーズをくみ取った技術が求められます。

大成建設 株価